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Hokkesyu Rissyouzan Myouhouji Official Website

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〒669-3812 兵庫県丹波市青垣町小倉809

歴史と沿革CONCEPT

 妙法寺の縁起

 佐治の町はずれ、神楽と遠阪への別れ道にほど近い小倉地内にある立正山妙法寺は、法華宗総本山本隆寺末。開基は足立権太兵衛基則、開山は智願院日岏上人で天文二十二年(一五五三)の創建である。開山は法華宗真門流の開祖日真上人の直弟子で、天文年間に丹波を巡り岩本の庵室で説法をしていたところ、岩本城主足立基則の帰依を得て足立氏の下屋敷に妙法寺を建立した。


享保十四年(一七二九)建立の山門
  

 足立基則は足立堀殿の末流で小倉に居をかまえていたが、その下屋敷五反七畝十七歩を境内として妙法寺を建立、丹波天正の乱では明智光秀に属していた。天正十年(一五八二)六月二日の本能寺の変に参戦、舎弟宗直、子息宗忠とともに翌一月十八日亀山で自害。その法名は源勝院殿日法大居士といい、墓は妙法寺の歴代住職墓地にある。
 基則の妻女の実家は桑山家といわれ、基則は天正十年六月に桑山修理亮重勝の制札を下付させ、妙法寺を外護させている。


 桑山重勝はのちに豊臣秀長に仕えているが、和歌山城時代に法華寺に隣接する海龍王寺より、南都絵仏師大法眼命尊筆の涅槃像を入手し、妙法寺に寄進した。命尊は興福寺金堂の本尊吉祥天女台座に名が記され、厨子の「七宝山図」「梵天、帝釈天像」を画いた大仏師法眼である。命尊筆のものは昭和四年の「国華」に掲載された藤田家の涅槃像があったが所在不明。海外へ流出したものもあり、国内唯一の美術的価値ある逸品と評価されている。

 また建治二年(一二七六)日進授与の日蓮上人曼陀羅、延徳二年(一四九〇)日真大和尚曼陀羅、天正十一年(一五八三)の開山日岏画像など二度の大火からも救出した重宝もあるが、建物は享保十四年(一七二九)建立の山門以外は大正期以降で、庫裡は大正期建築をそのまま改修、妙見堂は能勢妙見の本殿を、本堂は夢殿をモデルにしたものであり、庫裡の十二枚の襖絵は小川鉄男画伯の青垣風景である。

                       丹波新聞刊 「ふる里の寺」より


 御本尊



三宝尊像(中央奥)元和7年(1621)本行寺日圭開眼
中央 内藤雅雲仏師の日蓮聖人像

 妙法寺は、「久遠の本仏」を「ご本尊」としています。「法華経」の「如来寿量品」の「久遠実成の釈迦牟尼仏」(永遠の救いを示す仏さま)を本尊とします。本尊の形は、一塔両尊四士など仏像によるものと、筆書きの大曼荼羅本尊がありますが、それらはすべて「法華経」にある諸仏の姿をあらわしています。

 妙法寺の本堂に安置されている本尊は、「一塔両尊四士」で、一塔とは「南無妙法蓮華経」の七字を書いた題目塔のことで、両尊は釈迦如来と多宝如来、四士は「法華経」の四大菩薩(上行菩薩・無辺行菩薩・浄行菩薩・安立行菩薩)です。題目塔を中心に向かって左に釈迦如来坐像、右に多宝如来坐像、その左右外側に四大菩薩を脇侍としておまつりします。

 「久遠の本仏」とは、「無始・無終の寿命を持つ救済主」、すなわち過去にも始めがなく、未来にも終わりがない永久不変の存在であって、常に悩み苦しみもだえる人びとを教化し救済する仏様のことを指しています。そして、今から二千五百年前のインドに出現された「お釈迦様」は、この久遠の本仏の現世のお姿なのです。

  法華経には、何億万年という思いも及ばぬ遠い昔(無始久遠)から、久遠の本仏が教化して弟子とした菩薩たち(寿量品)が、未来の伝道者として上行菩薩等を上首とする無数の菩薩たちを地中の虚空から湧き出させた(湧出品)、と説かれていますが、この法華経の教えを文字として端的に表現したものが、「大曼荼羅」であり、仏像を安置し表現したものが「一塔両尊四士」又は「三宝さま」と呼ばれるご本尊です。

本尊の形態は、本師であるシャバの上に、南無妙法蓮華経と書かれた宝塔が立ち、その宝塔の左にインドに生まれたお釈迦さま、右に多宝如来が共に合掌して座し(以上が三宝さま)、その下座に久遠の本仏の脇士(仏をたすけ、人びとを導く大士)である上行菩薩・無辺行菩薩・浄行菩薩・安立行菩薩の四菩薩が安置されています。この安置された形が「一塔(宝塔)両尊(釈迦・多宝)四士(四菩薩)像」による本尊の型です。


 御曼荼羅

 

日蓮聖人御真筆大曼荼羅
岩本弥八郎、徳畑仁右ヱ門寄進
 天明4年(1784) 
  一幅の紙上に顕された「大曼荼羅」では、四菩薩に加え文殊師利菩薩や弥勒菩薩などをはじめとするインドのお釈迦さまの脇士が四菩薩の従者としてならび、他の国の菩薩、他の仏土諸仏、法華経の守護神がならび、全体の四方を四天王が守る形になります。 

 守護神

 妙法寺では鬼子母神さまもお祀りしています。日蓮上人は法華経の行者を諸天善神は必ず守ると確信されています。その中でも法華経の陀羅尼品には特に菩薩の代表として、薬王菩薩・勇施菩薩の二菩薩(二聖)と諸尊天の代表である毘沙門天王・持国天王の二天王(二天)と十羅刹女・鬼子母神がとかれているところから二聖・二天・鬼子母神・十羅刹女を守護神としてまつります。正月に配布しております妙法寺の門札はこれを表しています。

 法華宗では、守護神として諸菩薩、鬼子母神、番神さんを「法華経」の修行者を守ってくれる善神としておまつりしています。また、妙法寺では「妙見大菩薩」が古くから信仰されており「開運」「交通安全」「進学成就」の神様としてお祭りしています。

 末法の世に「法華経」をひろめようとすると、いろいろな障害があるが「法華経」を信仰する人を諸菩薩善神が必ず守ってくれると「法華経」に書かれてあります。
 日蓮聖人は、鬼子母神・十羅刹女は、法華経の行者・信者を守る。行者の信念を試すため障害を加えることがある。行者の身替わりとなり、迫害するものを罰する。行者が退転すればこれを許さず罰を加えると説かれています。
 このことから妙法寺でも御祈祷するときは、霊験あらたかな鬼子母神に祈り祈願しています。

 経典

 法華宗では、法華経を根本経典とします。正しくは「妙法蓮華経」といい鳩摩羅什の漢訳で八巻二十八品からなります。

 「法華経」の前半は方便品が中心で人間は千差万別でいろいろな人がいますが、身心ともに完全円満な仏に成る仏性をもっているので、それを覚って信仰することの大切さが説かれています。ものごとには必ず因があり、それが、縁にふれて現象が起こると「縁起の法」が説かれますが、これもまた方便であり究極の真理へ導く手段とされています。

 「法華経」の後半は寿量品が中心です。無限の時間、空間に本仏がおいでになり、一切の神、仏はこれの分身であり、一切の帰着するところも本仏にあることが教えられています。

 私たちの世界では、人種・民族・優劣・善悪など差がありますが、本来は平等無差別であり、無始以来久遠の本仏の愛子として生を受け、その仏種にめざめ生きて、また本仏の世界へ帰るのが人の一生と説かれています。
 我利我欲の妄想をすてて法華経の菩薩道を実践して、本仏中心の平等互恵の精進で生きると四苦八苦の苦しみから救われると説かれています。

バナースペース

法華宗 立正山 妙法寺
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