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年頭のご挨拶

　あけましておめでとうございます。ご尊家皆様には健やかな新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。旧年中のご厚情を感謝申し上げますとともに本年も寺門興隆のため御協力を賜りますようお願い申し上げます。

　本年は、「甲辰」（きのえたつ）の年です。

十干の「甲」は、草木の芽が殻を破って頭を出した様を表す文字であり、古いものが破れて革新が始まるという意味。

「辰」は龍のことですが、龍は変幻自在の能力を有し、天空と地上を結ぶ。海の彼方の竜宮から天高く舞い上がり災いを除き福を招くとされ、仏教と関わりの深い存在です。龍は、水とのかかわりの中で雨を降らせる能力があるとされており、農耕社会においては稲作の豊穣と結びついていました。日本では干ばつが度々起こったため、恵みの雨、その望みを龍にかけたのです。そして、龍は威厳性、権威性、霊性をそなえた存在として、十二支の他の動物にはない特別な存在とされました。丹波市内でも川辺の主要な場所には、水神さんとして龍が祭られており、祠や石塔が建立されています。

　辰年に願いをかけ、ご自身の願いを意のままに操ることができるように、また龍のようにより高みを目指して精進していく年にしたいものです。

年頭に際し、先祖様の仏壇の前で「南無妙法蓮華経」とお題目を唱え誓願を立てていただくことで、心の平穏と安定をよりよいものにしていただければ幸いです。

甲辰の年の皆様のご健勝をお祈りいたします。

合　掌

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