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仏教は家族のことをどのように考えていたのでしょうか。仏教は家族制度の伝統のうえにたって、社会倫理の基本的な考え方、すなわち平等と慈悲と報恩を実現しようとしています。 日蓮聖人が「一切は親にしたがうべきであるが、仏になる道は、親にしたがわないことが、孝養の本である」と主張されていますように、仏教本来の出家が、世間的な孝行より優位にたつことで「孝養の本」であるというのです。 原始仏教聖典に釈尊は「子どもたちが、人々のよりどころである。そして夫にとっては妻、妻にとっては夫が、最高の友である」といわれています。夫妻は最高の友であり、子どもがよりどころであるのです。 さらに夫婦の理想像は「夫婦とも信仰あり、親切であり、身を慎んで、法にかなって生活し、互いにいとしいことばを語るならば、福利はいやまさり、平安な幸せが生まれてくる」と説かれています。 親子の関係については、子に対する親のつとめとして、「悪から遠ざけ」「善に入らしめ」「技能を習学せしめ」「似合いの配偶者を迎え」「適当な時期に相続させる」こと、また子の親に対しては「親に養われたから親を養う」「かれらのために為すべきことをしよう」「家を存続しよう」「祖霊に対し供物を捧げよう」というつとめを説いています。 報恩が大切で、親に対する奉仕というのではなく、自らの自然な気持ちで自発的になされることが説かれていて、仏教の報恩思想から、先祖より受けた恩恵にも感謝の誠を捧げるのは当然とされています。 原始仏教経典にすでにこのような家族の倫理、夫婦の倫理が説かれているのですが、われわれ現代人の家族のあり方を考えるとき教えられることばかりです。 親子の関係は友人のような横の関係ではなく、家庭での幼児期からの躾が大切なことはいうまでもありませんが、親も子も個人主義や自由主義を自己流に理解して、利己主義や放縦主義に流され、自己本位で身勝手な生き方をしてはいけません。 自分自身の倫理、道徳的心情または信念をもち、最も信頼できるはずの家族や親戚を大切にし、親は親、子は子であることを再認識すべきであると説いています。 |
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