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 紀元前二世紀の終りにヒンドゥー教が西インドを中心に広まりつつありましたころ、部派仏教の分立が進行しました。またこのころ仏教信奉者の寄進で、塔や寺院の建立が盛んになり、新しい仏教の推進がたかまって大乗固有の経巻を成立させました。

 大乗というのは、智慧と慈悲の法で無上の自他の利益を成就するから大であり、実りある菩薩の道へすべての大衆を導くので乗であるというのです。「上求菩提下化衆生」の旗をかかげたとして徳川家康は有名ですが、「上求菩提」というのは、自分の悟りを求めることで「自利」であり、「下化衆生」とは、衆生を教化することで「利他」のことです。

 部派仏教の僧は僧院でアビダルマ(経・律・論の三蔵)を研究することが中心となり、衆生の救済を忘れ、自己の煩悩を断ち「阿羅漢」になることを目的として修行していたのに対して、釈尊の教えは一切衆生の救済にあり「自利」は「利他」の修行なしでは得ることはできないとする大乗仏教がおこってきました。

 自利(悟り)を求め、他利のため活躍することを菩薩行といい、これを実践することで阿羅漢の世界を超えて仏になれるし、「一切衆生悉有仏性」とし、一切のものは生まれながらに「仏性」をもっているので、すべてを仏の位に導くことができるとしています。

 すべての人々が仏性にめざめ菩提心を起して、布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧の六つの規範を実践すると、その功徳により菩薩となり、仏陀となると説かれています。こうした釈尊の壮大で深遠な教えを文章にしたのが大乗経典なのです。

 大乗経典が成立したのは釈尊滅後三百年ころのことで「般若」「華厳」「法華」「浄土」等の経典ができますが、その数は一二六〇部三五二七経もあることが確認されています。

 「般若経」は六百巻ありますが、その中心は「空」にあります。すべては「原因」と「縁」からなりたっていますが、因と縁が変わればすべては変化するので、絶対的、固定的な存在はなく、あらゆるものは本体「空」である。したがって自分のもの、自分の考えに執着することは無駄であると説かれています。
 「華厳経」は釈尊の悟りの中身を示したもので、その悟りを開くための菩薩行が書かれており四十段階の修行を経て、次に十地の階梯に進み聖者と呼ばれるようになり、利他行を積んで菩薩になれると説かれています。

 「法華経」は妙法蓮華経の略称で、アジア諸地域でもっとも信奉され、だれでも仏になれるという一仏乗と、釈尊は永遠の存在であり久遠実成の釈尊であることを説いています。法華経では小乗と大乗を法華一乗に帰一させることを主張しています。日蓮聖人はこの経典に帰依して法華宗を興しました。
 「浄土教」は無量寿経、観無量寿経、阿弥陀経で浄土三部経とよんでいますが、宇宙の西にある「極楽浄土」に阿弥陀仏がおられ、一心不乱に阿弥陀仏の名号を唱えていれば、臨終の時に心が顛倒することなく往生すると説かれています。

 このように大乗経典が多数生まれましたので、そのどれを所依の教典とするかで多くの宗派が生まれることとなりました。また仏さまも多数あり、三世十方の諸仏と呼ばれています。三世とは過去・現在・未来のことで過去に七仏あり、未来仏は弥勒菩薩が五六億七千万年後に弥勒仏として出現されることになっています。現在仏には地蔵菩薩や観世音菩薩などがあてられています。
 また「法華経」では釈尊がクシナガラで亡くなられましたが、それは非滅現滅で凡夫の目をさまさせるためで本当は久遠実成で永遠の仏として存在されていると説いています。

 十方というのは東・西・南・北・東南・東北・西南・西北・上・下のことで無限の時間、無限の空間の中に無数の仏さまがおいでになるとしています。そして、さらに宇宙の真理・宇宙自体が仏だという「法身仏」として毘盧舎那仏、密教の大日如来などの仏さまとか、無限の期間の修行によって仏となった「報身仏」として阿弥陀如来や薬師如来があり、釈尊のように人間世界に生まれ、悟りを開き、涅槃の世界に入られた「応身仏」が考えられました。菩薩も仏智を持ちつつ衆生救済の願のため菩薩行をされているとしています。



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