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 アーリア人はもと中央アジアの高原に居住して、西インドからイランにかけてのステップ地帯で牛や羊の牧畜でくらしていましたが、前15世紀頃に二つに分別して、西北インドのパンジャブ地方に侵入してインド人となったものと、東北イランで半遊牧民となったイラン人とに分かれました。

 イラン人ゾロアスターは前630~前553頃の人ですが、人類の歴史の不思議で、古代文明世界の東西各地に時を同じくして大宗教家思想家が輩出します。
 イスラエルの預言者とか、古代ギリシアの初期哲学者、中国の孔子などと共に釈尊、ゾロアスターもその一人で偉大な宗教家でありました。
 インドの釈尊の教えはヒンドゥー教世界の基盤の上に仏教として成立しましたが、やがてヒンドゥー教世界へ埋没したように、ゾロアスターの教義も、イランの旧来の信仰から成立したものですが、旧来の信仰との対立はいつか融合したものになっていきます。

 イランの旧来の信仰では、先ず原初の神があり、神は宇宙を創造します。そして次に水をつくり、大地をつくり、大地の上に植物、動物、人間を順につくり、7番目に火をつくります。火は植物と動物、人間を殺し、天上の神に捧げました。神はそれにこたえて大地を潤し、動植物をこの世に増繁させてくれます。
 さまざまな自然現象にはそれぞれの神々があり、正義の神・戦いの神なども祭られました。
 人が死ぬと魂は3日間遺体の頭上付近にとどまり、4日目にあの世に旅立つとされ、魂に悪魔がとりつかないよう、あの世に行く力をつけるため、家族は喪に服し、祭司にマントラ(真言)を多く唱えてもらい、火を燃やして悪魔払いと再生をもとめていました。

 この世から離れた魂は、あの世に着くまで暗い河を渡らなければなりませんが、生前に正しい行いをしていて、多くの供養をされたものは河を渡れますが、それ以外は地獄に落ちるとされています。
 河を渡った魂は、「ヤマ」が支配する黄泉の国にいきますが、新入りの魂は淋しい思いをするので毎日供養し、1年を過ぎると命日だけでよいが30年間続けなければならず、それにより魂は「フラワシ」となり先祖霊となって家族を守護し、子孫を繁栄させる守護霊となるとされました。
 この宗教では魂のぬけた遺体は荒野の岩の上などに置いて鳥や獣に食べさせる葬法がとられています。

 ゾロアスターは東北イランの半遊牧民の祭司の家に生まれたとされ、成人してから真理を求めて各地を放浪していました。ある時河の流れに身を入れて水を汲もうとしたのですが、その河岸に輝く7人の神々を見たのです。
 その中央にいたのが、最高神アフラ・マズダーでこの神から啓示を受けたのです。アフラ・マズダーは始原から宇宙にあり、永遠に存在する全知全能の正義の神であり、他は慈悲深い諸々の神の創造者である。
 この世にはアンラ・マンユがおり世に悪をおよぼすものは全てこの悪霊のしわざであり、正義に従うものは最高の生活ができ、悪に従うものは最低のところへ行くことになるというのです。
 病気、不正、奸悪、災い、争いは全て悪霊アンラ・マンユのしわざで、多くの悪霊を支配下におき、人間をねらっているとされます。
 この世は、アフラ・マズダーの創造した多数の善神と、アンラ・マンユの創造した多数の悪魔とが戦う戦場であるとされています。

 ゾロアスター教の教えも仏教の成立に大きく影響しており、天国・地獄の観念(二元論)はこのゾロアスター教からもたらされました。
 またゾロアスター教の子供の入信儀式は日本の宮参り(七五三)とよく似ていますし、祓いの儀式も古代日本の神道の儀式に似ています。
 不浄観は日本にも古来あるもので、これらもエジプト同様、古代イランを始原とする習俗信仰がゾロアスター教を奉ずる渡来人によって古い時期の日本に伝承されていたのです



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