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私たちにとって理解しがたいことですが、仏教では過去・現在・未来のことを時の流れとして考えなくて、「ものごとの流れ」として考えますので、三世といい、過去世・現世・来世といっています。現在の一生涯が現世でこの世に生まれでる以前の生涯が前世であり、死後の生涯を来世といっているのです。 「ものごとの流れ」とは、「いまだやってこないもの」がやって来て、やがて「行ってしまう」ものとして三世をとらえています。つまり、時間を実体視せず、実在するものとみないのです。時間は変化する存在の変遷で、それを仮に区分しているにすぎないというのです。 過去世のことは、過去・前生・前世・前際ともいっていますし、未来世のことは、未来・来世・来生・当来・後際ともいっています。そして重視していますのは、現在世と未来世で現当二世といっています。 古代インドの社会では、人は何度も生まれ変わり輪廻転生すると考えられていましたことは前述のとおりですが、その輪廻転生は、善悪応報の因果律によって転生する世界がきまるとされていました。この考え方は、ギリシャ、アフリカの古代思想と共通であります。 釈尊は前世において、菩薩として地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天の六道に次々と生まれられ、種々の姿・形をとって菩薩行をされました。菩薩というのは、自分の身をかえりみず、他人のために努力する人のことで、悟りを求めて修行の道に入っている人のことです。 35歳で仏陀となられた釈尊の教えはインドや東南アジア、中央アジアから中国、朝鮮、日本、チベットから蒙古、シベリアに伝えられ人類に大いなる指針を与えられ信仰されていますが、こんな偉大な人物は過去の永い世代を通じ、多くの生涯を通じて、献身的に不惜身命の努力をされた功徳によると教えられました。 ジャータカは民衆の仏教でありましたから、彫刻、絵画の主題として、インド、東南アジア、中央アジア、中国などで多くの傑作が残され世界遺産として今に伝えられ、訪れるものに深い宗教的感動を伝えています。 |