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 私たちにとって理解しがたいことですが、仏教では過去・現在・未来のことを時の流れとして考えなくて、「ものごとの流れ」として考えますので、三世といい、過去世・現世・来世といっています。現在の一生涯が現世でこの世に生まれでる以前の生涯が前世であり、死後の生涯を来世といっているのです。

 「ものごとの流れ」とは、「いまだやってこないもの」がやって来て、やがて「行ってしまう」ものとして三世をとらえています。つまり、時間を実体視せず、実在するものとみないのです。時間は変化する存在の変遷で、それを仮に区分しているにすぎないというのです。
 人は前世にやってきた自分のおこない(業)を原因として現在の結果があり、現在の自分のつくった業により未来のありようがきまるので、自分の責任により来世を生きるというように、因果応報の理は三世にわたるので三世因果といわれています。

 過去世のことは、過去・前生・前世・前際ともいっていますし、未来世のことは、未来・来世・来生・当来・後際ともいっています。そして重視していますのは、現在世と未来世で現当二世といっています。
 仏教の祈りは「現当二世諸願成就」を仏に祈ることですが、現世の行い(業)が来世のありようを予定するというのです。

 古代インドの社会では、人は何度も生まれ変わり輪廻転生すると考えられていましたことは前述のとおりですが、その輪廻転生は、善悪応報の因果律によって転生する世界がきまるとされていました。この考え方は、ギリシャ、アフリカの古代思想と共通であります。
 こうした因果律の信仰は釈尊の誕生にあてはめられ、偉大な釈尊ほどの人物が生まれたのは、相当のことを前生でされて、善業をつまれた結果であると信仰されました。釈尊は過去の無数の前生で、かぎりない布施と忍辱の行をつまれましたが、その自己犠牲の功徳によって仏陀となられたというのです。

 釈尊は前世において、菩薩として地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天の六道に次々と生まれられ、種々の姿・形をとって菩薩行をされました。菩薩というのは、自分の身をかえりみず、他人のために努力する人のことで、悟りを求めて修行の道に入っている人のことです。
 ジャータカ(本生話・本生譚)はもともとインド各地にあった民間説話をとり入れて、仏教の考え方である布施とか忍辱の思想を多くの大衆に教化したのですが、同時に釈尊の偉大なことを多くの説話で表現されたものです。

 35歳で仏陀となられた釈尊の教えはインドや東南アジア、中央アジアから中国、朝鮮、日本、チベットから蒙古、シベリアに伝えられ人類に大いなる指針を与えられ信仰されていますが、こんな偉大な人物は過去の永い世代を通じ、多くの生涯を通じて、献身的に不惜身命の努力をされた功徳によると教えられました。
 「ジャータカ」は数も多く、広い地域の国にどんどんひろまり、世界各地に拡大され、アラビアの「千夜一夜物語」とか、ヨーロッパの「イソップ物語」「グリム童話」にもとり入れられています。東南アジア諸国の聖典パーリ語の「ジャータカ」は547の説話があり、さらに梵語やチベット語、漢訳経典の中にもとり入れられ、日本では「今昔物語」などの物語文学にそれがとり入れられています。

 ジャータカは民衆の仏教でありましたから、彫刻、絵画の主題として、インド、東南アジア、中央アジア、中国などで多くの傑作が残され世界遺産として今に伝えられ、訪れるものに深い宗教的感動を伝えています。
 釈尊は過去無数の生涯でかぎりない自己犠牲の功徳を積みましたのでトソツ(兜率)天にのぼり、神々を教化しながら地上にくだる時を待っておられました。天上の音楽の調の中から声が聞こえて菩薩下生の時を知らせます。菩薩は獅子座につき下生の時機と場所を観察され、トソツ天からくだって摩耶夫人の胎内に入られたのです。この菩薩を守護する神々も菩薩についてきましたが、それは梵天・帝釈天・四天王などの神々です。



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